野生とは、大きく異なる環境で暮らす動物園の動物たち。なるべく本来の生活に近い環境づくりを目指して、国内の動物園でも「動物福祉」を充実させる取り組みが動き始めている。多くの課題もあるが、自治体ぐるみで動物福祉の実現に取り組んでいる例もある。
狭くて、大半がコンクリート敷きの運動場。甲府市の遊亀公園付属動物園にいるアジアゾウのテル(メス、推定41歳)が約40年間暮らしたゾウ舎が、ようやく変わることになった。
拡大する甲府市遊亀公園付属動物園で1頭で飼育されるアジアゾウのテル=2020年8月4日、北上田剛撮影
テルが動物園にやってきたのは1980年。現在のゾウ舎はその翌年に完成した。破壊や脱出を防ぐため、鉄製のポールや扉につけられたとげが目立つ。過去にはテルがぶつかり、けがをしたこともあった。
- 【プレミアムA】動物たちはどこへ
- 日本に動物園ができてまもなく140年。これからも存在していくために、果たすべき役割は何か。情報公開請求して入手した84の公立動物園の資料と取材をもとに、動物園が抱える理想と現実、ひずみに迫ります。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル